会社はなぜ、外注せずに自社で月次決算をした方が良いのか?

就労継続支援B型事業所

経理を外注することにメリットやデメリットがあります。
私は経理こそ、社内で内製化すべき部署の一つと考えます。

経営を車と例えるなら、経理は計測器

車と経営は似ているところがあります。
車のハンドルを握るのは、会社の社長。進みたい方向にハンドルを握って、同乗者である社員を目的地まで運んでくれます。
助手席に乗って、危険察知やアドバイスくれるのは、副社長や部長の役目。

経理の役目は、社長が運転中にチラチラみる計測器を整備することです。
ガソリンメーターは、会社のお金を示します。ガソリンがなくなれば、車は動かないように、
会社のお金がなくなれば会社は動かなくなります。

どんな新車であろうと、最新機器を整備していようが、ガソリンがなければ走りません。

スピードを出し過ぎだと感じれば、ブレーキを踏んで調整するなど、
計測器からは様々な情報を得て、運転手は幾度も判断をくだしています。

ガソリンメーターが、2ヶ月前の量を示していたら安心して車に乗れない

今日が令和4年10月11日火曜日、例えば今日、
「社長、8月の預金残高は〇〇円でした」と伝えたら、社長は、

「ふーん、そうか」と言うだけでしょう。その額が少なければ、ヒヤッとするでしょうし、
多ければ、儲けたな、と内心思う程度。
大事なことは、「今はいくらあるの?」ということ。

月次決算をするというのは、直近の経営数字を把握し、振り返りをして次の行動にうつすことができます。それをしなければ、2ヶ月前の数字を示して、ふーんの一言で瞬殺です。
9月の1ヶ月間の数字を知りたければ、翌5営業日(令和4年10月であれば、7日金曜日を目安)には把握しておきたいものです。

早めに知れることで、素晴らしいエンジンを搭載している車が、ガス欠で止まる、なんてことを未然に防げるようになるのです。

カーナビは会社の方向性を示してくれる

カーナビの役割は、目的地までの最短距離や料金、休憩場所などを教えてくれます。このカーナビの目的地をセットするのは社長の役目。そしてハンドルを握ってそこまで運転するのも社長の役目です。

そんな当たり前のこと言うな、とおしかりを受けそうですが、
この当たり前のことをできている経営者というのは、どれくらいいるのでしょうか。

「整理整頓は大事だ!」と言っておきながら、社長室が1番汚い会社。
「社員あっての企業だ」と言っておきながら、人事と給料体系が不透明な会社。
「お客様に感謝しよう」と言っておきながら、1番クレームが多い社長。

カーナビで設定しているはずの目的地と、実際に進んでいる方向が真逆であることは、指差して笑っている場合ではありません。人のふり見て我が振り直せです。

一度、コンビニに寄って一息ついて、カーナビと現在地のズレをみることは非常に大事です。
コツは一人でやろうとせず、助手席に乗ってくれている人と2人でもいいので、確認するのをオススメします。

まとめ

経理を外注せずに専属の担当者を配置し、月次決算をしていくことで、
タイムリーな情報を手に入れることができます。正直、タイムリーな情報を手に入れても、数ヶ月・半年、もしかしたら1年以上どのように活用すれば良いか分からないかもしれません。

しかし、それで大丈夫です。月次決算を翌5営業日以内に行う習慣を身につければ、おのずと使い方は見えてきます。数字を読めれば黒字になるの?と言われたら、会計事務所の職員さんは全員立派な経営者になることでしょう。

大事なことは、出てきた数字とご自身が体感している数字が一致しているか否か。それを定期的にチェックする体制が非常に重要です。
先月もある経営者と話した、
「経理と自分の売上にズレがある」と言われたのでお手伝いに訪問したところ、
その外注経理担当者は「税込み売上」を報告し、社長は「税抜き売上」を把握していました。
それだけで、1割も売上が変わってくるので会話が噛み合わないのも無理ありません。

このように経理を外注していると、数字と社長の感覚が不一致しやすくなります。
社内担当者を配置し、月次決算を5営業日以内に行う仕組みを作ってみませんか?

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